毎週さまざまなランチイベントやワークショップを通して、未来の食や都市での豊かな生活を探求するFarmer’s Market Community Club。
その部活動のひとつである「みそとおとも」は、隔月〜毎月集まり、糀作りから味噌を完成させる全4回の発酵レクチャーシリーズです。「ほしの糀」代表の星野潤さんを講師に迎え、食・ライティング・イベント企画を通して社会変容を提案するTakako Ohyamaさんに発酵食品を使ったアイデア料理をご紹介いただきます。第2回目のイベントでは、ついに味噌仕込みを行いました!(前回の様子はこちら)
今回もTakakoさん特製の「ウェルカム味噌スープ」からスタート。氷を浮かべた”冷や味噌汁”を用意してくださいました。「第2の脳」とも言われる腸を、ワークショップの前に活性化します!茨城・どまんなか野菜さんの夏野菜をたっぷり使用し、味噌は「ほしの糀」の青大豆味噌。調理時に火を使わないので、暑い時期にぴったりです。
さて、集まった17人で協力して味噌を仕込みます。
星野さんが提案するのは、発酵食をみんなで楽しく仕込んで”コミュニティを発酵させる”こと。初対面の人たちでも、作業を一緒に行うと自然と良いコミュニケーションが生まれます。
また、味噌を仕込んだ仲間が数ヶ月後に集まって完成した味噌を食べ比べてみると、驚くほど味が違うんだとか!星野さんが過去に開催したワークショップでかなりスパイシーな手前味噌を持ってきた参加者がいて、聞くとその人はフラメンコの先生。ダンススタジオの地下で保管していたら、そんな味に仕上がったんだそうです。
仕込む人の人柄や、環境によって味が変化するのは不思議ですね。「みそとおとも」ではどんな味噌が出来上がるんでしょうか?
「味噌」と一口に言っても、使う穀物の種類によって違いがあります。今回作るのは、米糀を使う「米味噌」。米糀は、星野さんが仕込んだ白米糀と、前回の抱き糀ワークショップ参加者の方々が自分の体温で発酵させた発芽玄米糀を混ぜて使用します。参加者が持ち寄った糀の見た目や匂いを比べてみると、同じ材料で仕込んだのに出来が全然違います!これまた、発酵の面白いところですね。
ちなみに米糀には、他の品種よりパラパラしていて糀作りに適している「ササニシキ」を使用しています。
米糀と塩を混ぜておいたら、事前に煮ておいた大豆を潰す作業です。今回使用する「さといらず」という青大豆は、砂糖がいらないほど甘い!というのがその名前の由来だと言われているように、びっくりするほど甘くておいしいんです!
お米と大豆は、どちらも群馬「上州百姓 米達磨」さんによる有機栽培のもの。夫婦で農業にいそしむ米達磨さんですが、今回のイベントには奥様の山口あきらさんが駆けつけてくださいました。
さぁ、グループに分かれて手でにぎり潰していきます。人の手の常在菌はそれぞれ異なるので、色んな人の手で混ぜれば混ぜるほど発酵が面白くなります。20kg近い味噌を作るとなると大豆の量が多く、想像以上に力が必要な仕込み作業に驚く参加者も。そんな体験も楽しみながら、最後には潰した大豆を一つにまとめて米糀と混ぜます。
それぞれ持ち帰る量を袋に詰めたら、仕上げに表面を塩と麻炭で蓋をします。麻炭の力で、より発酵がすすむそうです。地域によって、塩だけで蓋をしたり、酒や焼酎で蓋をすることもあるんだとか。
さぁ、味噌仕込みはこれにて完了!ひと段落ついたところで、Takakoさんの発酵料理もできあがったようです。今回のメニューはコーンと白味噌の冷製スープと、味噌ヨーグルトソースときゅうりのオープンサンドです!
コーンスープは、長野・五味農園さんのとうもろこしを使用。生でもとっても甘い!隠し味に「石野味噌」の白味噌とココナッツオイルを加えて、コクを出しています。オープンサンドは、スライスしても歯ごたえがよい四葉(すうよう)きゅうりと、チーズのような香りが特徴的な「小池糀店」の熟成極上味噌を使ったソースを合わせています。味噌の意外な使い方、勉強になりますね!
締めくくりに、美味しいごはんを食べながら皆で感想共有。
「出来上がりが楽しみ」「皆で一緒に味噌を仕込むことで、まさに人とのつながりが発酵していっていると感じた!」など、みそとおともが提案する”都市での自給“や”コミュニティを醸す”ということを体感していただけたようです。
もちろん、Takakoさんによるウェルカム味噌スープや発酵料理もお楽しみいただけます。今回の味噌作り参加者の皆さまには発酵途中の味噌を持ってきていただき、”味噌検診”も行います!それぞれの味噌に、これからどんな個性が出てくるのか?楽しみですね!
◉参加者用「みそとおとも」Facebookグループにて、Takako Ohyamaさんのレシピやイベント情報を発信中!
→ https://www.facebook.com/groups/193192824642641/(どなたでも閲覧できます)