【Farm to Table Report】かまどご飯を通じて考える、これからの食と住

7月15日に開催した『アロハファームのお米で炊く、かまどご飯ワークショップ』。アロハファームさんの育てたお米をかまどで炊く、昔ながらのおいしいご飯作り。夏の暑い日差しにも負けず、約20人のメンバーが集まりました。今回のテーマは「これからの食と住」。

今回使用したかまどは手作りのものではないですが、会社の活動の一環として、土かまどづくりを行うアトリエDEFさん。事業のメインは自然素材にこだわった住居づくりです。その際に余る材料を、土かまどへと変えて生活の道具へと変えていきます。日本の木と土を使った住居は安心・安全なだけではなく「科学的には証明することのできない、人間が本能的に感じる他との違い」が表れているのだとか。

かまどで炊く米とおかずの野菜を提供してくださったアロハファームさんは、毎週末Farmer’s Marketにも出店中。ブースでは味噌や甘酒といった加工品が目立ちますが、実は農家さんでもあります。自ら野菜やお米も育てながら、未来へ続く発酵食を普及させようと尽くしています。

ワークショップはかまどに火をおこすところからスタート。全員でくべたのは木ではなく、通常なら捨てられてしまう稲のもみ殻。田んぼで捨てられてしまうはずのもみ殻を燃料とするのはもちろん、燃えた後の灰も畑の肥料に活用。環境にも配慮した〝循環〟を生み出しています。

いよいよかまどでご飯を炊く時間です。ここではご飯の炊き方のコツを教わりました。「はじめチョロチョロ、中パッパ」という昔の歌にあるように、かまどでご飯を炊くときは「赤子が泣いても」蓋を取ってはいけません。ではどうすれば炊きあがったことがわかるのでしょうか?そう、かまどの木蓋に棒をあて、それを通して音を聞くのです。

お米が調理されている間はグツグツと音が鳴ります。それが段々と細かくなりパチパチと弾けるような音に変わり、音が鳴り終わったら出来上がりの合図。「本当に音が聞こえるの?」と話しながら皆で音を確かめ合い、お米が炊けるのを待ちました。

炊き上がったお米を見て驚いたのは、通常と比べて1.5倍ほども大きな粒だったこと。もちもちとした弾力が特徴的で、偶然田んぼに現れた苗を大事に育てて種取した品種も分からないこのお米を、アロハファームさんではその美味しさから「爆笑米」と呼んでいます。

炊きたてのご飯と一緒に、アロハファームさんの採れたて野菜で作ったおかずやお味噌汁、ファーマーズマーケットの農家さんの野菜をいただきました。シンプルな味付けが野菜本来の甘さや旨みを引き出していて、素材の味に驚くばかりでした。

アロハファームさんは微生物から発酵させた土を使って野菜・米作りをしています。長久保さんはカロリーではなく体のエネルギーになる「いい食事」の大切さを伝えたいと話します。

「ワクワクする食事のありがたさを、若い世代にもどんどん伝えていきたい」という思いがあるそう。

また、アトリエDEFさんは藁や土を水と混ぜて発酵させた材料で家を造っています。これは人にやさしいだけでなく、日本の土や木を使うことで水や山を守り、自然の循環を生み出した暮らしを提案することにも繋がっているとのことです。

お二人が語っていた「発酵」をキーワードに、これからの食や暮らしを自分なりに考えるきっかけの場となりました。

text&photo:溝口珠美

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▼『Farmer’s Market Community Club』では今後も食を中心にした様々なイベントを開催していきます
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▼かまどご飯のランチワークショップ、次回9月10日に開催!

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2017.9.1

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