長野県伊那郡。北アルプスを臨むこの場所で、農薬・肥料を使わずにお米や野菜を育てるmomoGファームの中山さん。元は車の整備士として長年働き、農家になるために農機具のメーカーに転職し、そのときの繋がりもあって今の地で農地を譲ってもらったそう。今回は、昨年末に食べた玄米の美味しくて、すっかりファンになってしまったファーマーズマーケットの運営スタッフが「天日干しの作業を手伝いにきてくれたら、 早く終わって嬉しいなあ・・・」という中山さんのボヤキを聞き逃さずに、田んぼツアー兼お手伝いを企画しました。当日はマーケットにフードカートで出店してくれている東京オムレツさん、糀発酵研究所さんも参加してくれました。
到着してまずは作業の前に腹ごしらえ。お店は中山さんが「ここが一番美味い」とおすすめしてくれた、信州名物のソースカツ丼のお店で、肉屋が営む『たけだ』。ランチのメニューは分厚いカツに、自家製ソースたっぷりでボリューム満点。しかも手頃な価格。まさに地元の人が知る名店です。このソースカツ丼を食べるためだけに、長野に来てもいいぐらいです。
冗談はさておき、腹ごしらえのあとは早速田んぼに移動です。この日は地元のラジオ局の取材が入っているとのことで、田んぼの前でインタビューを受けていました。午前中に稲刈りを終われせてくれていたので、ここからいよいよ天日干しの作業をスタート。中山さんは、育てるお米一人で全量天日干しをしています。まずは干す土台の組み立てからはじまめます。これを全て毎年毎年、一から一人で全てやるとなると、想像するだけで気の遠くなる想いです。実際に自分たちで作業に携わって見ることで、改めて、農家さんへの日頃の感謝の思いが生まれてきました。マーケットに出店してもらうだけではなく、農家さんの田んぼや畑にも実際に伺ってみることで、より一層よい関係性が築けると考えています。
いつもは一人で黙々と作業をしているという中山さんも、この日ばかりは楽しそうに会話をしながら進めます。「この静かな場所で一人で作業する時間も好きだけど、こうして皆んなと作業するのも楽しいね」と中山さん。人が集まることで、会話も生まれ、笑いも生まれる。最高のロケーションの田んぼで、穏やかな時間となりました。
(*左:東京オムレツの佐渡友さん/右:糀発酵研究所の菖蒲さん)
途中からは、同じく長野からファーマーズマーケットに出店してくれている農園くさむらのお二人も合流。さらに場が賑やかに。到着してしばらくは農家同士、中山さんと何やら3人で専門的な話しで盛り上がっていました。
10月からこのときに天日干しした2017年度の新米が届きます。今年は例年に比べ、少し収量が少なくなってしまい、希少なお米。味わいはさっぱりとしていて、クセの少ないのが特徴です。11月の後半の初雪後には、その年一番勢いのある田んぼを見極めて、完熟させた独自のオリジナルの『完熟雪見米』として、2回目の稲刈りを行います。そちらのお米は、厳選した一枚の田んぼからしか収穫できない、さらに希少なお米。マーケットでは12月頃にお披露目予定です。果物や野菜と同じように、お米の季節による味の違いを、この『完熟雪見米』で一度体感してみてください!