北海道 / べにや長谷川商店

インタビュー
創業1926年(昭和元年)、北海道を拠点に代々在来種の豆を取り扱ってきたべにや長谷川商店さん。不思議な模様の豆、聞きなれない名前の豆が所狭しと並べられている様子に心が躍ります。
おいしいから育てる
べにや長谷川商店さんが販売する在来種の豆は、農家さんが自家用に少量栽培していて、市場に出回ることはほとんどない稀少なお豆です。
現在、市場で圧倒的シェアを占めているのは安定性のあるF1種の作物で、在来種は隅に追いやられています。
それでもなお、在来種の豆がわずかながらも栽培され続けている理由は非常にシンプル。
「おいしいから」です。
おいしいから。食べたいから。たったそれだけの理由で、今日に至るまで農家さんによって守られてきたお豆なのです。
こんなにも魅力的で面白い話がありますか?気分が高揚してしまいますね。
種の多様性と、豆の先にある暮らしのために
ファーマーズマーケットでお豆の魅力を教えてくれるのは、3代目の長谷川清美さん。2001年に横浜で販売会社べにやビスを設立し、書籍の出版や料理教室の運営などを通じて在来種のネットワークづくりに取り組んでいます。
「在来種を守ってる人達って、サステナビリティな生活を地でいってるんですよ。それがすごく素敵だなと思って。」
豆の多様性を守ることはもちろん、在来種を育てる暮らしを繋いでいくことも、テーマのひとつであると言います。
農薬や化学肥料は高いから、肥料は自分で作る。火も自分で起こせるし、水は山の湧き水や井戸水を使えばいい。
自分たちの食べ物ををこしらえることを第一条件とした農業を営み、大量生産は行わない。
こうしたアグリビジネスとは一線を画す暮らしがあって、在来種の豆があります。
在来種の豆を探せば必ず、そんな暮らしがあるのです。
彼らの暮らし方は、環境に負荷をかけないことが目的でなく、結果である。わざわざそれを目的にしなくても、生活そのものが環境保全型であるのです。
隙間時間でお豆を煮る
お豆を煮るのは手間がかかるというイメージが強いですが、実は隙間時間を使って簡単に煮ることができるんだとか。
お豆の煮方の裏技を教えてもらいました。
空いてる時間に火を入れる。たったそれだけです。
朝起きて家を出るまでの1時間、鍋に豆を入れて火にかけておく。一度火を止めて放置しておき、帰ってきたらまた3、40分火を入れる。
これだけで浸水なしでも綺麗に美味しくお豆を煮ることができるそうです。
自分で煮れば柔らかさも好みで調整できます。初心者さんには豆ご飯がおすすめ。
普段料理をしない方、忙しい方も、一度自分で煮たおいしいお豆を味わってみて欲しいと話してくれました。
農家さんのお墨付きのお豆。おいしいお豆。ぜひ、お試しください!