UNCLE KEN

UNCLE KEN

小麦づくりに携わるピザ屋。湘南・藤沢で小麦づくりにも携わり、バジル・トマトは自分で育て移動販売のピザを販売する『PIZZA UNCLE KEN』さん。農家でもあり、ピザ屋でもある。明るいキャラクターと、ひょうきんな見た目とは裏腹に、真面目な想いを語ってくれた。作り手の想いが知れると、不思議と今まで以上に味も美味しく感じられるはず。
 
薪釜ピザとの出会い
湘南生まれ、湘南育ち。もともと料理が好きで、神戸屋でパン職人として約20年間勤めていたというの店主の宮下さん。10年以上勤めたあるとき、パンの製造から、会社が新たに展開するレストランへの配属が決定。店舗にはイタリアから直輸入したピザ釜が用意されており、突然、その担当を言い渡されることに。
 
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(薪釜にピザを入れるシーン。フードカートの中は想像以上の熱さ)
 
「それまで一度もピザなんて焼いたことなかったんだから、そりゃあ、参ったよ」と、振り返る。自分の担当になるまでは、焼くことはもちろん、一度も薪釜ピザを食べたことが無かったそう。そのこともあって、はじめて食べたときに、あまりの美味しさに感動。「この美味しさを、多くの人に伝えたい!」との思いが芽生え、独立を決意することに。
 
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(ピザ釜の焼口のサイズに合わせて、角を削ったオリジナルのヘラ。持ち手の長さも、車内仕様で短めになっている)
 
煙がダメなら、移動できるピザ屋になれば良い
独立に向けて店舗を探すにあたって、「薪釜を使うことだけは決めていた」という宮下さん。だけども、薪釜(まきがま)を使うとなると、煙や臭いの問題でなかなか店舗を貸してくれるところが見つからない。とはいえ、電気やガスで焼いたピザを出すのでは意味がない・・・と悩んでいるとき、ふと「煙が出るなら、移動できるピザ屋をつくれば良いんだ」と、薪釜を積んだフードカートを思いついたそう。
 
小麦づくりにも携わり、素材も自ら育てる
「どうせやるなら、自分でどこまで携われるかを試したい」。そんな思いでいたところ、地元のパン屋さんから「小麦畑をやってみたい」という話しを耳にする。意気投合し、一緒に取り組むために畑を探していると、地元藤沢でも農家の高齢化が進み、有休農地が増えていることが分かる。それならば、「小麦を育ててなんとかしたい」と、地元の農家さんと組んで、「湘南藤沢小麦」の栽培がはじまった。
 
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(小麦粉を使用する飲食店を中心に、現在30名ほどで湘南藤沢小麦を育てている)
 
現在、北海道産のチーズ以外は、小麦づくりに携わりながら、バジルやトマトといった主要な食材は自分で育てている。「自分で言うのもなんだけど」と、前置きした上で「小麦から育てているパン屋は聞いたことあるけど、ピザ屋で小麦から育てている人は、俺ぐらいでしょ」と、照れ臭そうに話す宮下さん。
 
湘南の食材でしかだせない味のピザを作りたい
パン職人時代の経験を生かし、有機天然酵母を使い独自の発酵方法や小麦の配合でピザ生地にまでこだわりを持って作る。本場イタリア産の小麦粉ではなく、あえて藤沢産の小麦粉をブレンドして使うのには訳がある。「自分でどこまで携われるかを試したいというのももちろんだけど、その土地の小麦にしかだせない味のピザを作りたいんだよ」と、想いを語ってくれた。
 
UNCLE KENさんが目指すのは、海もあり、畑(野菜)もある湘南藤沢ならではのピザ。やはり一番人気は『江ノ島しらすと生のりのピザ』だという。宮下さんの思いが自然と伝わり、魅力を感じる商品になっているからだろう。そうやって、その土地ごとや、季節ごとの食材を使ったピザが増えていったら、楽しいに違いない。これからは季節の移り変わりを、UNCLE KENさんのピザの食材で感じてみて欲しい。
 
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(一番人気の『江ノ島しらすと生のりのピザ』)