パサデナランチワゴン

パサデナランチワゴン

食材と燃料の地産地消を目指す、ロティサリーチキンフードカート
 
チキンと聞いて、すぐに日本で思いつくのはフライドチキンかもしれない。だけど、例えば日本で焼き鳥があるように、海外を見てみれば他にも美味しい鶏肉の食べ方があることに気付く。例えばアメリカの家庭料理であるロティサリーチキンもその一つ。『パサデナランチワゴン』の三好さんは、本場アメリカで食べたロティサリーチキンの美味しさに魅了されたという。食材は、なるべく地元のものを使う。燃料は、店舗では薪燃料を、フードカートでは地元飲食店の廃油を精製したバイオディーゼル燃料を使う。食材と燃料、二つの地産地消を目指している。
 
アメリカでのロティサリーチキンとの出会い
 
ロティサリーチキン ランチプレート
(一番人気のランチプレート)
 
もともと鶏肉の生産業者に13年ほど勤めていたと言う三好さん。主に外食店舗の商品開発をしていたそう。今でこそ鶏の赤身肉や胸肉は一般的になったが、当時はまだまだ注目されておらず、業界でも胸肉の流通が課題となっていた。そうした中で、仕事でアメリカに行く機会があり、ロティサリーチキンと出会うことに。
 
アメリカでは当時『ホームミールリプレイスメント』という、外食やスーパーマーマーケットなどで手作りの家庭料理の代行が活発になっており、ロティサリーチキンの実演販売も多く行われていた。日本では食べたことのないそのチキンの美味しさに「これなら売れる!」と大きな手応えを掴んだそう。
 
国内でのロティサリーチキンブーム
 
アメリカでの流れも受けて、国内にもロティサリーチキンのチェーンが参入。一時、日本でもロティサリーチキンブームが起きる。だが、焼きたては美味しいが、時間が経つとパサパサになってしまい、味が落ちるという大きな欠点があった。三好さんも、同じ部分に頭を悩ませていたが、一方で「胸肉もしっかりと調理すれば美味しく食べれるはず。」という想いがあった。そう、アメリカで出会ったあのロティサリーチキンのように。次第に、それは自らお店を出したいという想いに変わっていく。
 
時間が経っても美味しさを保つ、オリジナルの二段グレーズ製法
 
一念発起し、いよいよ湘南・鵠沼で弁当惣菜屋をはじめることになった三好さん。当時から味付けや製法を試行錯誤しながらチキンを販売。そして、4年前、ついにロティサリーチキン専門の路面店を辻堂にオープン。店舗を営む傍ら、「より多くの人にロティサリーチキンを食べてもらいたい」との想いもあり、フードカートでの販売もはじめる。
 
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(フードカート内で焼かれるロティサリーチキン)
 
試行錯誤の末に、現在の二段グレーズ(膜をつくる)製法と自ら名付ける調理法を独自に開発。火入れには、一般的に45分ほどの調理時間を、1時間15分かける。鶏肉に2段階で膜をつくり、じっくりと低温長時間で焼き上げることで、出来立てはもちろん、時間が経ってもパサつかず、美味しさを保てるようになった。味付けには天日塩、そして香味野菜を使うのが特徴。そこに、ハーブや柑橘が加わる。香味野菜を多く使うのは、子どもからお年寄りの方まで広く楽しんでもらえるように優しい味付けにするためだ。
 
燃料の地産地消。目指すのは日本初・薪焼きロティサリーチキン。
 
現在、食材は湘南の農家さんを中心に、有機肥料で野菜を育てる方から一部を仕入れている。お米にはマーケットに出店する農家さんの育てるプリンセスサリー(バスマティ米)と神奈川の米キヌヒカリをブレンドして、ロティサリーチキンに合うピラフをつくっている。けれども、三好さんが目指すのは、そのもう一歩先の『燃料の地産地消』だ。例えば、フードカートの燃料には、現在地元の飲食店で出た廃油を精製したバイオディーゼル燃料を既に使用している。
 
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(ロティサリーチキンから滴る油で焼くローステッドポテト)
 
一方、店舗では、炭を燃料にチキンを焼いているが、これを薪に変えていけるように試行錯誤中。将来的に、ストーブ職人にチキン専用薪オーブンを頼むために、自らロティサリーオーブンを作成。「ストーブ職人に、チキン専用につくってもらうときに、火の流れを自分で確認して、どこをどうしたら良いか伝えられるように試作してるんですよ。今のはまだまだ失敗なんですけどね」と、話す。
 
昔からバイクが好きで、海外から廃車を輸入して一部パーツを直して乗っていたこともあるというので、もの作りにも力を入れて行きたいそうだ。薪は湘南地区で伐採の後に出るものを使う予定。薪で焼かれたロティサリーチキンを食べれる日が、今から楽しみだ。
 
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(右:薪焼きロテサリーマシン(Wood Fire Rotisserie)/左:最後に乗っていたバイク motoguzzi Eldorado 1973年製)