高知/上樫森(かみかしもり)

高知/上樫森(かみかしもり)
栽培方法 水耕栽培 土耕栽培
肥料 化学肥料 有機肥料(購入) 有機肥料(自家製) 無肥料
雑草対策 除草剤 手刈り 放置 その他
病害虫対策 殺菌剤 殺虫剤 手潰し その他

黒糖。この言葉を聞いてすぐにイメージするのは沖縄ではないでしょうか。あまり知られていませんが、上樫森さんのいる高知県の黒潮町も、実は国内でもサトウキビ栽培の歴史が深い町。夫婦2人とやんちゃで元気あふれる息子さんの3人でサトウキビ栽培から黒糖づくりまで、一貫して取り組みます。
 
理想の黒糖の味を追求
 
「地元の加工場には、同じ黒糖づくりをする方が約30件ほどいるんですが、皆それぞれ追い求める味が違うんです」。そう話てくれたのは上樫森の田波さん。この地域には、昔ながらの釜炊き製法の黒糖づくりの加工場が残る。その歴史は江戸時代にさかのぼるそう。地域の土壌が砂地のため、エグミとなる成分がサトウキビに残りにくく、質の良い黒糖づくりに向いているのだとか。
 
加工場では最年少だという『上樫森』の田波さんが追い求める、理想の黒糖は「淡いキツネ色で、エグミのない、すっと溶けるような爽やかな甘さの黒糖」。地域の土壌が砂地のため、エグミとなる成分がサトウキビに残りにくく、質の良い黒糖づくりに向いていること。そして、糖度が20度ほど(*一般的には14度ほどのサトウキビが黒糖に使われるそう)のサトウキビのみを選んで使用することで、自分の理想の黒糖の味を追い求める。
 
黒糖づくりの製法も、機械作業が一般的なこの時代に、古くから地域に伝わる釜焚きで、夜通し人の手で行う伝統的なスタイル。各生産者さんがそれぞれの理想の味、色、口溶けの黒糖を追い求めるため、同じ地域のサトウキビでも、その年、その作り手によって違いが出るのが面白いと言います。
 
kamadaki (1)
(夜中から明け方まで、夜通しで釜焚きを行い、黒糖をつくるそう)
 
東北の寒さに懲りて沖縄に、沖縄の暑さが堪えて現在の高知に
 
もともと農家でもなかった田波さんは、大学卒業後、周りと同じように、企業に就職。しかし「やっぱり自然に触れ合っていたいな」という思いから、会社を辞め、まずは思い立って東北へいくことに。そこで数年過ごしたのち、寒さに懲りて、今後は沖縄に移住。そこではじめてサトウキビに出会ったそう。沖縄ではサトウキビは主要作物なため、小規模で、釜炊きでやる農家さんはほぼ皆無だったといいます。
 
そんなとき、実は高知でもサトウキビを育てられることを知り、沖縄の暑さに懲りいたこともあり今度は高知へ。しばらく小規模なサトウキビ農家さんで研修した後、約3年前から独立して、生産から加工、販売まで一貫して行っているそう。
 
甘さの奥に、ほのかな酸味を感じる上樫森さんの手作りの釜焚き黒糖。どうぞ一度ご賞味あれ。
 
000015 (0)
(田んぼの作業を手伝う息子さん)
IMG_8091
(上樫森さんの測り売りの黒糖)