静岡/ひらの園

静岡/ひらの園

「急須を囲む人の輪。その中心にある急須から、お茶を注ぎ分け、その空間にいる人が、少しずつお茶を飲んで、心を落ち着かせる。本当の価値って、そこにあると思う。だから、主役は人なんです」と教えてくれたのは、ひらの園五代目・平野昇吾さん。土作りから、栽培、加工までを一貫して行う単一農園茶が、その自慢だ。
 
「納得のいく美味しいお茶を育てて、それを自ら届ける。顔が見えるからこその責任感。その意識の差は、大きいですよ」と話す。畑の脇には、堆肥が山積みになっている。籾殻、牛糞、昆布を混ぜ合わせたそれは発酵が進み、湯気が出ている。秋から冬にかけては、茶園周囲に自生する山草を、茶樹の間に敷き詰め、土を育てる。畑の広さ、そして堆肥の量から考えると、その作業量は膨大だ。それでも、平野さんは「新芽をよく観察して、時には、それを食べて、味を確かめる。つくり手の努力に、お茶は応えてくれます」と笑いながら話す。いかにも楽しそうだ。
 
ご自宅の前にある小さな茶室で、さらに急須を囲む。「農家って、何も特別な存在じゃないと思うんです。それが最近、ちょっと特別扱いされてる。それは違うと思う。お互いに学び合うことが大事ですよ」と続ける。その一言に、気付かされた。健全に、豊かに暮らしたい、と考えるのは、農家さんも同じなのだ。お茶を囲み、心を落ち着かせ、お互いに学び合う。その積み重ねがきっと、未来を築き、暮らしを豊かにしてくれる。
 
ひらの園:http://www.hiranoen.net/
 
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  • 栽培方法
  • 肥料
  • 雑草対策
  • 害虫対策
  • 種
  • 有機率75~80%のイカ、魚、米ぬかが主体の発酵肥料を購入して使用。もみ殻、牛ふん、昆布、米ぬかが主体で、一年かけて切り返しを重ねてつくる自家製堆肥も使用。畑周囲の山草を茶樹の間に敷き詰めて雑草対策としている。