3/5(日)|和歌山県田辺市より、3生産者さんと共に「おいでらよ いこらよ」が出店。

太平洋から黒潮の暖かな潮風が流れ込み、内陸に目を向けると熊野の山が連なる和歌山県田辺市。南方熊楠がイギリスから戻り後半生を過ごしたこの地は、「紀伊国」=「木の国」から由来していることもあり、和歌山県の四分の一にもなる田辺市は、豊かな森林がその9割占めています。


今週末3月5日(日)は、和歌山県田辺市より、3生産者さんと、地域の情報雑誌『ソコトコ』のコラボレーションで生まれた田辺市を愛する「たなコトアカデミー」の受講者が、共に田辺市の魅力をマーケットからお伝えします。今回は、そんな田辺市より、3月5日にご出店いただく3人の農家さんをご紹介。

柑橘と梅を育てる十秋園5代目の野久保太一郎さんは、「美味しい」という噂が人から人へと伝わり、育てる柑橘は市場には出さずに、直接欲しい人たちだけに直送で届けています。農薬の使用はなるべく抑え、化学肥料は使わずに三重県尾鷲市の魚粕ベースの100%有機肥料を使用して育てています。でこぼこの山の斜面をすり抜けると、デコポンや三宝柑、レモンや温州みかんなど、約30種類の柑橘の木が畑で育っています。

また、柑橘畑の隣にある急勾配の山あいでは梅も育てている、野久保さん。田辺市でも一番多い品種は南高梅。江戸時代にはもともとやせ地だったため米がうまく作られず、その当時は領主が梅を植えることで税金が免除されたことから梅がたくさん植えられているそう。樹上完熟で1ヶ月遅れで収穫し、プラスチックではなく30年間使い継いでいる木製の干し板を使うことでよく干せるそうです。また、梅干しの時期が終わった干し板は塩が残らないように、近くの川で3日かけて洗います。

「あまりにも急な傾斜の山肌に梅の木が植わっているため、はしごを使っての収穫や剪定もできないので、収穫の時期は下に敷いた網に落ちてくる完熟の梅を拾って梅干しにしているそうです。周りの梅畑は収穫しやすいように低く剪定されているのに比べ、野久保さんの梅の木は3〜4mにもなり、圧巻です。

同じく日向区で柑橘と梅を育てている岡本さんは、元々ホテルのサービスマンをしていたこともあり、畑で農業に向き合うよりも直売や道の駅に自ら出向くことでお客さんと話して伝えるのを何より楽しみにしているそう。


近年、田辺市の生産者さんは柑橘畑を梅に替えているところもあるそうですが、岡本さんは「柑橘のほうが面白いから」と、ハッサク、清見、麗紅、べにばえなど17種類を育てています。

柑橘畑の奥には、樹齢約100年とも言われるバレンシアオレンジの古木も。袋がけをしないと表皮が青くなってしまう品種のため、栽培をストップしてしまう農家さんも多いそうです。近年は、地域の生産者さんやシェフたちとともに「チームひなた」を立ち上げ、イノシシやシカのジビエ肉の加工販売も行っています。

最後は米問屋「たがみ」を営む田上雅人さん。米問屋とは言っても、ただお米を売っている訳ではありません。代々続く米問屋を継ぐ前には、京都の老舗米屋さんで修行をしていました。今では「熊野米」という熊野エリアでつくる米のブランドも自ら立ち上げ、契約農家さんたちを巻き込みながら生産にも携わっています。やせ地で稲の育たなかった田辺市のなかでも、熊野エリアはその風土や富田川の地下水のおかげで米が豊かに育つそう。また、「熊野米」は化学肥料をなるべく使わないように、梅干しを作るときに使って捨ててしまう調味液や梅の木屑を使って栽培しています。

米屋の枠に収まらない田上さんは、「熊野米プロジェクト」で甘酒や日本酒、米粉を使った缶パンも作っています。農家さんを巻き込みながら地域を盛り上げるアイディアは垣根を越えたコラボレーションを生み、地元の若手生産者さんや起業家さんたちからの信頼を勝ち取っています。

三者三様の和歌山県田辺市の生産者さんたちが、いよいよ今週末3月5日(日)にマーケットに出店してくれます。ぜひ、直接お話ししながら、田辺市の魅力に触れてみてください!

「おいでらよ いこらよ」
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2023.2.27

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