【#美味渋滞中】第1回 ポテトグラタンとレモネード(DECEMBER 2020)

初めまして、9月よりFarmers Market事務局に加わりました永島由梨です。いきなりですが、この記事を開いてくださったあなたにとって、Farmers Marketはどんな存在ですか。

私も事務局加入前はお客さんの一人としてマーケットに参加していました。まだマーケットが遠い存在だった私は、出店者さんに話しかける勇気がなかったり、食材の使い道がわからなかったり…。もっと踏み込んで知りたいけれど、どうしたらいいだろう…そんなことを思っていました。

事務局に加わって3ヶ月、個性豊かな出店者さんとお話しながら色々な食材を試す中で、改めて「このマーケットには美味しいの渋滞が起きている…!」と確信。以前の私と同じような想いを持って下さっているお客様にも、もっとマーケットを楽しんでいただけるきっかけを作れたら。そんな想いで今日からスタートする連載「#美味渋滞中」では、マーケットの食材を使ったレシピをコラム形式でお届けしていきたいと思っています。マーケットでのお買い物のきっかけに、食卓の小さなヒントにして頂けたら嬉しいです。

2020年、多くの方々にとって変化の年だったと思います。マーケットとしても約半年の休止期間もあり、マーケットの在り方について考えさせられることの多い1年でした。そんな今年の締めくくり、1年を振り返りながらろうそくを灯して、大切な人とあたたかい食卓を囲んで終えたいものです。第1回では、クリスマスシーズンの食卓にぜひ迎えていただきたい2品、ポテトグラタンとレモネードをご紹介させてください。

 

1品目 ポテトグラタン

聞くだけでポカポカと温かくなる料理、ポテトグラタン。別名フランス語でドフィノア。大人から子供にまで愛される一皿ですが、ベースとなるベシャメルソースを本格的に作ろうと思うと1日がかり。グラタンが主役の日なら気合を入れて作りたいところだけど、脇役として付け合わせにしたい時には楽に美味しく作れたらいい。そんな想いを叶えてくれるポテトグラタンです。

主役のじゃがいもは、茨城県の「やまきぬ ぷち のうえん」。姉妹で切り盛りする畑でとれたお野菜は、優しく包み込んでくれるような味わい。妹の絹江さんはマーケットのお母さん的存在で、たくさんの野菜を持って毎週日曜にマーケットに出店してくれています。今回使うのは「シンシア」という品種(写真右)。1980年代にフランスで生まれた品種で、生クリームやバターとも相性抜群、煮崩れもしにくく、正にドフィノアのために作られたとも言うほど。そこに紫色の「シャドークイーン」も少し混ぜました(写真左)。

そしてチーズには、山梨県の「山羊さんの贈り物」より、山羊チーズソルト。

山梨県で小麦畑を営みながら山羊を育てている北條さんご夫婦は、できた小麦でパンを焼き、山羊のミルクでチーズを作っています。マーケットには毎週山羊さんも連れてきてくれていて、子供達の人気者。

チーズは複数種類をまぜて乗せることで味わいに深みが増すので、今回は贅沢にモッツァレラとパルメザン2種類のチーズを使ったレシピです。そのパルメザンチーズに山羊さんのチーズソルトを混ぜてふりかけると美味しさ2倍。これをかければ塩は少なめでもバッチリ味が決まります。焼けたチーズがたっぷり乗った上1cmくらいの層を狙っているのは私だけじゃないはず。チーズはケチらずたっぷりと!

 

2品目 レモネード

実は私は大の食いしん坊なのに、お酒が飲めません…。レストランへ行っても楽しそうなワインペアリングを横目に、ノンアルをオーダーする日々。近頃は驚くほど美味しいノンアルペアリングも増えてきていますが、やっぱりメニューにあると心踊るのが、“自家製レモネード”の文字。老若男女に愛される飲み物ですよね。

まず、主役のレモンは愛媛宇和島より「Citron et Citron」。マーケットに立つのは店主の由美さんとご両親、そして宇和島で柑橘を育てるのは由美さんのいとこと、まさに柑橘ファミリー。農薬や化学肥料に頼らない農法で育てています。レモンがグリーンからイエローへ少しずつ変化していくこの時期、レモネードに使うなら今からが正に旬です。

そしてレモンを引き立たせるのに欠かせないスパイスは、「スパイスハウス」。

実店舗を荻窪に持つスパイスハウスさんは、料理やお酒に合わせて相談しながら調合してくれる、この連載の常連さんになること間違いなしです。今回はこの連載のために、レモネードスパイスを作っていただきました。シナモン、カルダモン、八角、クローブ、オレンジゼスト、ジュニパーベリー、コリアンダーと7種類ものスパイスを合わせたレモネードセットは、マーケットにて今週末よりお買い求め頂けます。

ポテトグラタンとレモネード。

大きなオーバル皿で焼き上げて大家族や友達同士でワイワイと、小さなグラタン皿で大切な人との夜に。レモネードはお湯で割ってホットレモネードにすると、夜の一人読書のお供にぴったりです。ぜひお試しください。

P.S. ちなみにマーケットの常連さんでもある東森シェフのお店、Cignale ENOTECAの自家製レモネードも、スパイスが効いていて食事にも合う、絶品レモネード。こちらも特別な日に大切な人と行って欲しいお店です。クリスマスは今からだと難しいですが、来年のバレンタイン予約ならまだ間に合うかも?

 

材料・レシピ詳細

〈ポテトグラタン〉

【材料】シンシア・シャドークイーン計5個、牛乳と生クリーム(1:1でじゃがいもが浸る量)、モッツァレラチーズ、パルミジャーノレジャーノ、山羊さんのチーズソルト、塩少々

【レシピ】

・じゃがいもをざくぎりにし鍋に入れて、じゃがいもが浸る量の牛乳と生クリームを入れて極弱火にかけます。(濃厚にしたければ生クリームの量を増やしてください。)

・ふつふつと湧いてきたらじゃがいもを崩さないように底からかき混ぜ、塩少々を加えます。

・煮汁がとろりとしてきたら耐熱皿に移し、上からモッツァレラをちぎって、パルミジャーノとチーズソルトをかけます。

・オーブンに入れ180度で10分焼いたあと、200度で焦げ目がつくまで焼きます。

〈レモネード〉

【材料】レモン4〜5個、スパイスハウスさんのレモネードスパイスセット、三温糖350g

【レシピ】

・レモンを輪切りにし、瓶にレモンと三温糖とスパイスを順番に入れていきます。

・蓋をしてよく混ぜ、冷暗所で半日ほど置いておきます。

・全体が馴染んだら冷蔵庫で冷やし、炭酸水や水やお湯などお好みのもので割ってお飲みください。

 

掲載出店者さんの12月出店日

掲載した食材は以下日程でマーケットにて購入できます。(売り切れの場合はごめんなさい!)

 やまきぬ ぷち のうえん:20(日)27(日)

 山羊さんの贈り物:19(土)27(日)

 Citron et Citron :20(日)26(土)27(日)

 スパイスハウス:19日(土)20(日)26(土)27(日)

 

2021年1月は鍋特集!いろんな変わり鍋をご紹介できればと思っています。次回もお楽しみに!

つくレポは、SNSで #美味渋滞中   をつけて投稿して頂けたら嬉しいです。

 

文・写真:永島由梨

Farmers Market事務局スタッフ。6年半のサラリーマン生活を経て、2020年9月に転身。料理と食べ歩きが趣味の大の食いしん坊。マーケットの食材を使って、日々料理研究中。https://www.instagram.com/yuriwednes/


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