「Cash or Square」Interview with Why Juiece? |伊賀新さん

「Cash or Square」Interview with Why Juiece?

畑からマーケットへ、ライブ感を持って食の豊かさを伝える

Farmers Marketへの参加理由を教えてください

栽培方法にこだわりを持った農家さんと、素材を大事にしながら新たな商品を生み出している生産者さんが一緒になって密接に集うコミュニケーションの場であったので、そこに参加することで同じ意識の人々と発信力を高め合い、横のつながりを持って新たな可能性を創出できることに魅力を感じ出店を決めました。

・出店者同士では、どのようなコミュニケーションがありますか

朝到着すると「久しぶり、今日も頑張ろうね!」といったような自然な会話が飛び交いますし、出店者同士が楽しんでいる雰囲気があるんです。それがお客さんにも伝わっている気がしますし、会話を楽しみながら買い物をするなかで、出店者さんも自らの思いを伝えることができているのだと思います。

・Farmers Marketで販売する商品や事業をする上でのこだわりは何ですか?

食材を第一に際立たせる

農家さんと直接やり取りをするので、食材が一番のこだわりです。農家さんと顔を見知れる関係を築き、彼らのつくる作物の生産方法を十分に知った上で、安心・安全で美味しいというのをコールドプレスジュースやスムージーというかたちで自信を持ってお届けしているので、食材を第一に際立たせることでしょうか。

・キッチンカーで販売する魅力は何ですか?

農家さんたちとは違った出店方法にはなるのですが、季節ごとに変化するマーケットのカラフルな様子を楽しみながら、畑から届いた旬の食材を、その場でライブ感を持ってお客さんに伝えることができるのがキッチンカー出店の魅力だと思っています。目の前にある食材がこんな風に変わったんだという、ちょっとした驚きも楽しんでもらえていると思っています。

・お客さまと対面して販売する魅力はありますか?

「美味しい」という一番のリアルを、体験として伝える場

青山という土地柄もあり、いろいろな層のお客さまがいらっしゃるので、老若男女問わず、それぞれのレイヤーで感じている意識みたいなものがあると思うのですが、マーケットのポジティブな体験を通してあらゆる層に働きかけることができるのがFarmers Marketでの対面販売の魅力です。「美味しい」というのが一番リアルなことだと思うので、美味しいを求めて来てくれた方が、それをきっかけにWhy Juice?が大事にしている環境への配慮やさまざまな問題点を解決するための取り組みに意識や興味を広げてくれることにやりがいを感じています。

・「Why Juice?」立ち上げのきっかけは?

不揃いの野菜が廃棄されてしまう現状を何とかしたい

2011の東日本大震災で食の安全性について考えたことがきっかけでしたが、元々、規格外の不揃いの野菜が出やすい有機農家さんの悩みとして、野菜が流通に乗らずに廃棄されてしまう現状を何とかしたいというのが原点にありました。農家さんが丹精を込めてつくった野菜や果物の美味しさをどのようにすれば魅力的に伝えられるか。それには素材が持つ風味と栄養素を壊すことなくそのまま一杯のジュースに注ぎ込めるコールドプレスジュースという選択で、日々の食生活で不足しがちな野菜や果物を美味しく、手軽に、そしてリーズナブルに都会に住む生活者へ提供する。そんなブランドとして立ち上がりました。顔の見知った農家さんから直接仕入れることで安心安全な「中身の見える」商品づくりを心がけるとともに、買い支えることで農家さんと一緒に成長していくブランドを目指しています。

・現在、事業をする上で挑戦していることは何ですか?

消費者の意識を変えるために生産者さんの思いを伝える

安心安全で美味しい野菜や果物の魅力を伝えるとともに、環境への配慮や国内自給率を高めることの大切さなどサステナブルな意識を、美味しく、そしてデザインで楽しく、さまざまな体験を通して消費者の意識を巻き込んでいけるようなイベントの開催や新たなサービスの提案に力を入れています。

・どうしてSquareを導入されたのでしょうか? 

店舗、マーケット、イベント出店。それぞれのデータ管理に役立っている

お客さんとの会話時間が増えるので、開業時からSquareは導入していました。もしSquareがなかったら、売り上げ記録が自動的に計上されないですし、後からデータを追いかけることもしづらい。いつどんな商品がどれだけ売れているかを見ることで、次の戦略を考えられるのは魅力ですよね。マーケット、店舗、イベント、いろいろな場面があるので、それぞれをまとめて管理できるところが強みだと思っています。 

下北沢の店舗では、ジュースやスムージーを楽しむだけでなく、素材にこだわった食事や農家さん直送の新鮮な野菜や果物を買うこともできます。それらを楽しむための様々な食物販も販売し「野菜と果物の美味しい生活」を送るライフスタイルを提案しています。

Squareのデザイン面はいかがでしょうか?

主役を引き立てる洗練されたデザイン

売り上げ管理などの機能面はさることながら、そこまで広くはない店内でブレンダーを回しカップに注ぐ傍、どうしても手元に目がいってしまうのですが、Squareスタンドの洗練されたデザインが、野菜や果物などの主役を店内で引き立ててくれるので、そういった意味でも今のお店にピッタリだったなと感じています。

・最近、畑へは行かれたのでしょうか?

先日も山梨県北杜市の仲良くさせていただいている「クレイジーファーム」さんの畑へ、ビーツの収穫に伺ってきました。まずは自分たちが実践者として手を伸ばしてみることで農業と触れ合う楽しさを体験し、美味しいというかたちで畑から都市に住む生活者へ橋渡しするような意識でやっています。それが結果的に自分たちの自信につながっています。

・事業を維持させている秘訣は何ですか?

チームのことは自分ごとと捉えて行動する

このチーム内でやる目的や意義をしっかり共有し、自分ごとと捉えて行動していくことです。店舗ではそういったコミュニケーションが透けて見えると思っていますし、それがお客さんにも伝わる部分だと思うので、アルバイトスタッフにも楽しんでもらえる状況をつくることも事業を維持させる秘訣だと思っています。

・今後の事業における目標は何でしょうか?

環境に、作物に、体に良いをテーマに掲げ、WHY?と問題提起する

Why Juice?Why SDGs ?をはじめ、「Why_?」=なぜ○○なの?という言葉に、よりよい未来をつくるために生み出すモノや行動に責任と意義を携えていくべきであるといった想いを込め、今後も様々な活動に取り組んで参ります。

お米の消費量を高めるために販売している「おべんとうBOX Farmers Rice

ジュースを製造する際のパルプ(果肉や果皮の繊維)をアップサイクルさせ、美味しくヘルシーな料理やスイーツを生産しています。現在の二次利用率は50%ですが、これを100%循環できる仕組みづくりを目指しています。旨みや栄養素が詰まったパルプには食材としての利用価値だけでなく、その色や繊維質を利用してプラ容器の代替となる紙などの素材の一部となることで、分解され堆肥化まですることができるようになるなど、さまざまな可能性を秘めているんです。 

Why_?下北沢では、「Why マーケット ?」というイベントを年に4回ほど開催しています。Why Juice?事業のさまざまな取り組みを発信する場として、安心安全で「美味しい」素材の魅力と、デザインの力で「楽しい」を創出した体験づくりに挑戦しています。

 


2022.7.23

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